治る認知症について知っておきたい2つのこと

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認知症 治る

あなたは「認知症の中には治るものがある」ということを聞いて、詳しく知りたいとお思いになったのかもしれませんね。身近な人の認知症に対して、なんとか治してあげたい、改善させてあげたいと思ったら、その認知症が治るものなのかどうか、確認をする必要があります。

ここでは主に、認知症の中でも治ると言われているものの種類と、最近、世間で言われている「水」の認知症治療の効果についてご紹介します。

目次

1、認知症が治るということについて
1-1、認知症は治らないけれども、進行を阻止することはできる
1-2、認知症の進行を遅らせるために
2、治療可能な認知症
2-1、認知症と間違われやすい「特発性正常圧水頭症」
2-2、脳の疾患による認知症
2-3、その他の内科的疾患
3、まとめ

1、認知症が治るということについて

1-1、認知症は治らないけれども、進行を阻止することはできる

認知症の治療方法はまだ見つかっていません。ただ、改善する方法はあります。病気の進行を遅らせることが、現代医学の研究によって十分に可能になってきました。

認知症の進行速度を遅らせるために必要なことには主に、「精神的ケア」「医療的ケア」などがあります。精神的に落ち込まないようにする、孤独にさせない、人としての尊厳を守る、といったことは、認知症である本人をサポートするみんなで行っていかなくてはなりません。
しかし、介護が必要になる以前からのご本人を最もよく知るご家族が、最も力を発揮できる場面でもあります。

難しいことではありますが、本人はもちろん介護する家族が穏やかな生活を送れるようにするためには、このようなことに気をつけていけると良いと思います。
また、認知症改善に有効とされる薬を処方するのは医療従事者の役目であり、この分野の研究も日夜進んでいます。

(※「認知症を改善|患者が幸せに暮らすための具体的な6つの症状に対する改善方法」)

1-2、認知症の進行を遅らせるために

自分は患者のために何ができるか考えたときに、家族であれば「できるだけ相手を尊重する」「相手の意図、気分を思いやり、汲み取ってあげるように寄り添う」ということが何よりも大事です。
認知症は「孤独」になりがちな症状であり、一人でぼーっとさせてしまうことが最も進行を早めるといっても過言ではありません。

現状は残念ながら、一部を除いて認知症を治すことはできません。しかし、家族や周りの協力によって、できるだけその進行を遅らせることはできます。家族や身近な人が認知症になったら、病院への相談はもちろんのこと、自分たちができる「心のケア」についてよく考え、実践してあげましょう。

2、治療可能な認知症

2-1、認知症と間違われやすい「特発性正常圧水頭症」

「治る認知症」と呼ばれる症状があります。これは、実際には認知症と同様の症状を持つ「特発性正常圧水頭症」のことです。パーキンソン病や認知症と思われている患者の中には、この水頭症でありながら、正確に診断されずにいる人が7~8%は存在するとされています。この患者に正しい治療を行うと、症状が改善するのです。

水頭症とは、脳や脊髄を保護している脳脊髄液が異常に増える疾患です。その原因には、脳脊髄液の「産生過剰」と「循環障害」、そして「吸収障害」の3つがあります。頭蓋内圧が上昇し、頭痛や吐き気を起こして、急性の場合は生命にかかわります。ところが、この急性の水頭症に対し、慢性的状況となる特発性正常圧水頭症の場合は、頭蓋内圧は正常です。

症状としては、「歩行障害」「尿失禁」「認知症様症状」が挙げられます。歩行障害はパーキンソン病のように歩幅が小さく不安定な歩きになります。尿失禁は、尿意に程度の差はありますが、基本的に尿意に気づきません。認知症様症状はモノ忘れなどの症状です。尿失禁、いわゆる「おもらし」は認知症患者に頻出する症状ですから、こちらも認知症様症状と言えるでしょう。
受診する診療科は神経内科、脳神経外科などですが、専門医でも診断を間違えるケースがあります。認知症と診断された場合は、特発性正常圧水頭症の可能性を疑い、セカンドオピニオンを受診することも大切でしょう。

ちなみに、特発性正常圧水頭症の患者には、「脳室腹腔シャント術」が多く行われています。手術は、患者の頭蓋骨にシリコーン製の管を入れて、脳内に溜まる余分な脳脊髄液を管を通して腹腔に流す手術です。この手術によって、この病気の大部分が治療可能とされています。

2-2 脳の疾患による認知症

脳腫瘍や脳出血など、脳の疾患がある場合、認知症になる可能性があります。脳出血を繰り返している間に、認知症の症状が出てくることがありますが、これは外科医の治療によって治せる症状です。

もし頭にケガを負った後に認知症らしい症状が出てきた場合は、脳出血による認知症を疑い、医師にすみやかに相談してください。腫瘍には良性と悪性があります。良性の腫瘍は手術による摘出が可能ですから、外科的治療が施されるのが一般的です(悪性腫瘍になると、手術による摘出が困難なことも多く、その場合は抗がん剤などの化学療法が選択されます)。

良性腫瘍の場合は予後が大変良好なものが多く、認知症の症状もかなり和らぐとされています。

2-3、その他の内科的疾患

甲状腺機能低下症によって認知症の症状が現れることがあります。これは甲状腺ホルモンが慢性的に不足し、精神活動が不活発になって起きる認知症です。他にもビタミン欠乏症、感染・炎症性疾患、脳炎、髄膜炎などが元で、認知症を発症することもあります。

これらの認知症は、脳以外の部分を治療することによって治ることがあります。認知症以外にこれらの病気を持つ患者には、まずその病気に対する治療を受けてもらい、その後の認知症の症状の様子(認知症の症状が減ってきたか、進行が遅れているかどうか、完治はできそうかなど)を見ていくべきでしょう。

このように、一口に「認知症」といっても、原因はさまざまですし、中には現代医学で治療可能なものもあります。いま、認知症の患者の一割は「治療で治る認知症」とされていますので、もし身近な人が認知症になったとしても、ただそれを受け止めるだけでなく、「治る方法はないか?」「そもそもどんなきっかけで認知症になったのか?」を調べ、専門医に相談し、患者が良い方向に進めるように、サポートをしてあげましょう。

3、まとめ

認知症になる原因はひとつではありません。まずこれを理解しましょう。そして次に大事なこととして、原因によっては、認知症は治るものだということです。原因を知り、早くに対策を打てば、症状はその分だけ減っていく可能性が上がります。まずは認知症の症状の原因がどこにあるのかを探りましょう。

認知症以外の病気、ケガなどはないか。まずそれを知るだけでも大きな前進になります。認知症を治すための方法を、患者と一緒に考えていきましょう。

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