認知症予防とアロマの驚くべき新事実

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
認知症 アロマ 予防

最近、テレビやインターネットなどで「認知症予防にはアロマが効く」とよく伝えられるようになりました。アロマなら天然由来で体に優しく副作用が少ない、手軽に取り入れられると、興味を持っている方も多いでしょう。

では実際に、アロマセラピーは認知症にどのような効果をもたらすのでしょうか? アロマに使われる“精油(エッセンシャルオイル)”は決して安価ではなく、効果について半信半疑のまま使い続けていくのは、経済的にも気持ち的にも苦しいはず。

ここでは、なぜ認知症にアロマセラピーを取り入れるようになったのか、認知症とアロマの関係を踏まえた上で、その効果について詳しくお話しします。

目次

1、アロマが認知症予防に効果的と言われている根拠
2、認知症予防にアロマを活用する時の留意点
2-1、精油(エッセンシャルオイル)を使う
2-2、日中と夜で配合成分を区別する
3、認知症に効果的なアロマを購入する方法
4、まとめ

 

1、アロマが認知症予防に効果的と言われている根拠

認知症を発症すると、まず「海馬(かいば)=記憶を司る脳神経」がダメージを受けると、これまでは考えられていました。しかし、近年の研究で、海馬に直結した「嗅神経(きゅうしんけい)=嗅覚を司る神経」が最初にダメージを受けるとわかってきました。

嗅神経のダメージが少しずつ海馬に伝わり、記憶機能を破壊しながら脳全体の機能を低下させていく、それが認知症を発症するメカニズムだったのです。つまり、その嗅神経のダメージを軽減・修復できれば、認知症の予防や改善は不可能ではないということです。

2003年にアメリカでは「アルツハイマー病においては、記憶が障害される前に嗅覚が障害される」と論文を発表した医師がいました。この論文では、アルツハイマー病14人中12人に嗅覚障害が認められたそうです。

(論文http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.160.11.1995

日本にもこの事実に気づき、嗅神経を効果的に刺激すれば、認知症を改善できるのではないかと考えた医師がいます。それが、30年以上認知症の臨床と研究を続けてきた、日本における認知症アロマセラピーのパイオニア的存在である鳥取大学の浦上克哉教授でした。

嗅神経はもともと他の脳神経より再生能力が高く、適切な香りによる効果的な刺激で機能が回復しやすいといいます。嗅神経が正常に戻ればそれに連動している海馬も活性化し、おのずと認知症は改善に向かっていく……そのメカニズムの発見が「アロマは認知症予防に効く」といわれるようになった理由なのです。

では、アロマは認知症に対し、どれほどの効果が期待できるのでしょうか。

浦上先生の研究では、認知症患者10人に1ヶ月間、脳の若返りが期待できる4種類のアロマを芳香してもらったところ、認知症の治療薬とほぼ同等の効果が確認されました。2005年日本認知症学会会報誌に発表した研究論文の中で発表された、浦上先生の開発した「TDAS認知症テスト」の結果がこちら。

図1

【認知症の判断数値】

正常範囲0~7
認知症予備軍ゾーン7~14
認知症ゾーン14~

数字が低いほど認知症の症状は軽くなったことを示しています。さらに認知症予備軍の方に1週間アロマを試すと、劇的な変化が!

2

どちらもhttp://currentdiary.seesaa.net/article/389907434.htmlより抜粋したグラフ。

認知症の数値13は、「料理している途中に電話がかかってくると、料理をしていたことを忘れてネットサーフィンに耽る」といった物忘れ度です。それが2になると、「鍋を煮込んでいる間洗濯ものを取り込み、時折火加減の様子を見ながら、明日出かける場所の情報をインターネットで調べる」といった複数の用事を同時に行えるようになります。

これがアロマを嗅いでもらっただけの結果だというのだから、本当に驚きです。そのように認知症に高い効果を発揮した4種類のアロマと効能は次の通りです。

【認知症に効く4種のアロマ】

認知症に効くアロマ

精油の香りが嗅覚を刺激すると、香りの信号が脳に伝えられ自律神経をコントロール。身体の機能が整うので、認知症の中核症状(※中核症状の記事へリンク)の改善につながります。

また、アロマには心地よい香りが脳を刺激し、「楽しい記憶を引き出す」「リラックスできる」「悲しみに耐えられるようになる」など心理的な効果も期待できます。これが認知症の周辺症状(※周辺症状の記事へリンク)を軽減する、心の問題に働きかけるのです。

2、認知症予防にアロマを活用する時の留意点

2-1、精油(エッセンシャルオイル)を使う

精油とは、植物から丁寧に抽出された100%混じり気のないピュアオイルのこと。アロマグッズの中には、化学的に似たような香りをつけた商品もありますが、認知症に効く――つまり、嗅神経を効果的に刺激する植物由来の成分は化学合成物には含まれていません。必ず天然由来の精油を使いましょう。

天然物と化学合成物を見分ける方法は、瓶のラベルに「精油の学名」(ラテン語)と「ロット番号」(産地や製造年などが細かく調べられる管理番号)が記されているかどうか。

4

この2つの記載があれば、誰でも製品の成分や販売元について細かく調べられるので、やましいことはないと証明しているようなものなのです。「認知症に効く4種のアロマ」の表に学名を表記してあるので、商品選びの参考にしてください。

【精油取り扱いの注意点】
精油は効果的に嗅神経を刺激できる代わり、匂いが強く鼻に近づけ過ぎると頭痛や不快感を覚える可能性があります。万が一、服や体に付着した場合は速やかに着替えをし、付着部を洗って匂いを緩和させてください。

2-2、日中と夜で配合成分を区別する

認知症の予防には、きちんとした食事や適度な運動、質の良い眠りを得て、規則正しく生活することが効果的といわれます。人間は誰もが、昼は「交感神経=体を活発に活動させる」、夜は「副交感神経=ゆったりとした気分にさせる」と呼ばれる2つの自律神経を切り替えながら生きています。

生活リズムが整うよう、それぞれの神経の働きを高められるのが「認知症に効く4種のアロマ」による下記の組み合わせと芳香時間です。

【認知症に効くアロマの組み合わせと芳香時間】

アロマの組み合わせ

■アロマペンダントの例
56

■アロマディフーザーの例
7 8

インターネットで探すなら「楽天市場」や「Amazon(アマゾン)」のサイトを開き、「アロマペンダント」「アロマディフューザー」と検索すれば、さまざまな形と値段の商品を見つけられます。お店に出向く場合は、「東急ハンズ」や「loft(ロフト)」などの雑貨店、大型ホームセンターに行くと手に入りやすいので、探してみるのもオススメです。

2-3、配合割合

認知症に効く精油は、どのような割合でブレンドすれば良いのでしょうか。浦上先生の研究によると、朝用アロマ「ローズマリー:レモン=2:1」、夜用アロマ「ラベンダー:オレンジ=2:1」が最も効果的な結果が出ました。この研究結果に習い、市販に売られている認知症用アロマはすべて2:1に配合されています。

個別で精油を購入する場合は、朝用アロマ「ローズマリー4滴とレモン2滴」、夜用「ラベンダー4滴とオレンジ2滴」を配合すると良いでしょう。香りが薄いと感じたときは、それぞれ6滴と3滴に変えてみましょう。それ以上は匂いがきつくなりやすいので、注意してください。

3、認知症に効果的なアロマを購入する方法

インターネットで、「アロマ 認知症」と検索すれば、浦上先生の開発したアロマ「リブレイン」を始め、専門医師監修の「昼用」「夜用」と書かれた配合エッセンシャルオイルを見つけられます。

また、精油そのものではなく、適切な量の精油が配合されたスプレータイプも出回っています。お値段はやや張りますが、毎日の手間を省くには便利でしょう。

「少しでもコストは削減したい!」と考える方は、「楽天市場」や「アマゾン」などショッピングサイトを開き、「アロマ セット 認知症」と検索してください。組み合わせが選べる3~6本のセットで約1,000円から探すことができます。

オススメは、大きさの異なる瓶が4本セットで売られている店か、同じ大きさの瓶が3本または6本セットで売られている店。最初から2:1になる分量を購入すれば同時に使い切れるので、次回の購入もスムーズです。

インターネットに慣れていない方は、デパートや駅ビルに入っている、自然派化粧品・スキンケアグッズの店やアロマオイルの専門店に行くといいでしょう。「ローズマリー・カンファー」「レモン」「真正ラベンダー」「オレンジ・スウィート」の名前をメモして来店すれば、スタッフがオイルを選んでくれます。

4、まとめ

アロマセラピーは代替療法や民間療法と呼ばれる、“医学的ではないもの”に分類されてきました。しかし現在、根本的に治療する薬はないとされてきた認知症に、アロマセラピーは根本治療法として機能する可能性が出てきました。

認知症治療として注目の集まる療法ですが、匂いの好みには個人差があり、それが必ずしも本人に合うとは限らないところが今後の課題といえます。

最後に、アロマセラピーの注意点をひとつ。あなたを含め、一緒に暮らしている家族に妊娠中の女性や高血圧、低血圧、てんかんの方がいる場合はアロマを使う前に、医師へ相談してください。

ラベンダー、ローズマリー、レモンは通経作用があるため、妊娠初期の方は使用を控えたほうがいいでしょう。その他、ラベンダーには血圧降下作用、ローズマリーには血圧上昇作用を促す成分が入っており、それぞれ持病に影響を及ぼす可能性があります。

基本的に、芳香剤として使う場合(アロマバスやマッサージオイルなど、体に直接精油が付着する使用方法はNG)は問題ないとされていますが、より安全に気持ち良くアロマを使うため、医師の判断を仰いでください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket